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「人が足りない」は答えじゃない。ボトルネックから人数を逆算するということ

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現場マネジメント

こんにちは、とらです。

私は現場を長くやってきた人間です。 人を任せる側に回って、もう何年も経ちます。

今日は、人材リソースのマネジメントについて書きます。 ノウハウというより、私が現場でどう考えているか、その思考の順序の話です。

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あるイベント運営の場で、若手に段取りを任せました。 準備の時間は、十分にありました。

ところが、現場はこうなっていた。 ゴールが誰にも示されないまま、大勢が手分けして動いている。

集まって、相談して、手を動かして、形にはなっていく。 任せた本人も「やった」という顔をしている。

でも、私の目には50点以下に見えました。

なぜか。 手が足りていなかったわけではありません。むしろ人はいた。 それでも崩れて見えた。理由はひとつです。

順序が、逆だったからです。

経験が浅いと、全部の工程が等しく不安に見えます。 どこが重くて、どこが軽いか、まだ見えていない。

だから、不安の総量だけ人を欲しがる。 「人がもっといれば回るのに」と思う。

気持ちは分かります。私もそうでした。 でも、これはリソースで時間を買っているようでいて、実は思考を放棄しているだけのことが多い。

「人が足りない」は、答えのように聞こえて、答えではありません。 それは、不安を人数で埋めているだけです。

不安は人数では消えない。 消えたように見えるだけで、現場のどこかに必ず残ります。

ではどう考えるか。

マネジメントの本質は、どこが詰まるかを先に見つけることです。 工場の生産ラインを思い浮かべてください。 ライン全体の速さは、いちばん遅い工程の速さで決まります。

そこより上流に人を足しても、詰まる場所は詰まったまま。 ものは手前に積み上がるだけで、全体は1秒も速くならない。

この「いちばん詰まる場所」を、ここではボトルネックと呼びます。 製造業では制約理論(TOC)と呼ばれる考え方ですが、難しい言葉はいりません。 要は、全体の足を引っ張っている一点はどこか、それだけです。

そこが分かって、初めて必要人数が出ます。 詰まる場所に厚く、流れる場所に薄く。配分は、ボトルネックから逆算で決まる。

順序は、ボトルネック→人数です。 逆ではありません。

人数が先に来る現場は、必ず人海になります。 詰まる一点を見ないまま頭数をそろえても、詰まりは消えないからです。 あの現場が50点に見えたのは、まさにこれでした。

もちろん、人を多く使える局面はあります。 ゴールが早く片付くなら、大勢で一気に振ること自体は悪ではない。

問題はその後です。

そこで終わる人と、なお割り振りを詰める人で、差が出ます。 同じ「大人数の現場」でも、設計された大人数と、漫然とした大人数は正反対です。

余裕があると、人は考えるのをやめがちです。 「人がいるから、まあ回る」と。

でも、余裕は「考えない理由」にしてはいけない。 人が足りている時にこそ、配分を詰める癖がつくかどうか。 そこが、次に余裕のない現場へ立った時の地力になります。

これは気合の話ではありません。規律の話です。

今回 私は、現場が崩れていくのを見ても、手を出しませんでした。

自分でやれば早い。それは分かっている。 でも、ここで私が入って整えてしまえば、相手は永遠に身につかない。

リアルタイムで割り込んで「こうしろ」と言うのは簡単です。 ただ、答えを口で渡すと、伝達のたびに中身が劣化します。 言われた通りにやっただけ、で終わってしまう。

だから私は、後で渡すことにしています。 「私ならこうした」を、その場の介入ではなく、判断の記録として残す。

なぜそこを詰まると見たのか。 なぜその配分にしたのか。 その差分を、本人が自分の現場と照らせる形で置いておく。

答えを言えば、伝達に劣化する。 問いと記録で渡せば、本人の気づきに変わる。

任せるというのは、放っておくことではありません。 口を出さずに、記録を残すことです。

個別の段取りの上手さは、現場ごとに変わります。 でも、変わらないものがある。

「ボトルネックを先に見る」という、思考の順序です。

これさえ身につけば、知らない現場でも応用が利く。 逆に、これがないと、いくら人を集めても人海から抜けられない。

最後にひとつ、問いを置いておきます。

あなたの現場、人数が先に来ていませんか。 「人が足りない」と口にする前に、詰まっている一点を、先に見られているでしょうか。

ボトルネックを先に見る。そこから、必要人数が出る。 この順序が逆になった瞬間、それはマネジメントではなく、ただの人海になります。

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