こんにちは、とらです。
今日は、お金の話をします。といっても、節約術でも投資の必勝法でもありません。
「自分の仕事に、いくらの値札が付いているか」
これを、一度きちんと数えてみませんか、という話です。
私がこれに気づいたのは40代になってからでした。もっと早く知っておけば、と何度も思いました。だからこの記事は、20代・30代の頃の自分に宛てて書いています。
まず、数字を知ろう — あなたの仕事に付いている「値札」

会社があなたの仕事を顧客に売るとき、いくらで請求しているか。考えたことはありますか。
そして、そのうちいくらが、実際に働いたあなたの手元に落ちているか。
この二つには、大きな差があります。業界にもよりますが、請求額の4割前後が働き手の手取り、というのは珍しくありません。
ここで「取りすぎだ」と怒ってほしいわけではありません。差額には、会社の運営コストも、営業も、設備も、あなたが休んでいる間の固定費も含まれています。その差をどう解釈するかは、あなたに委ねます。
私が言いたいのは、批判ではなく、原価意識です。
プロなら、自分の仕事にいくらの値札が付いているかを知っておくべきだ、ということ。値札を知らないまま働くのは、原価を知らないまま料理を出す料理人と同じです。
まず、数字を知る。話はそこからです。
同じ日当でも、時期によって符号が変わる
同じ「休日出勤1回、日当いくら」という仕事でも、キャリアのどの時期にやるかで、意味がまるで変わります。
入社して数年のうちは、休日の外現場は「お金がもらえる研修」です。普段の職場では出会えない現場、機材、人、段取り。それを、お金をもらいながら買っている。この時期の休日仕事は、日当のほかに「経験値」という項が乗っています。
ところが、技能が頭打ちになった後は違います。
同じ金額、同じ拘束時間。でも「経験値」の項が消えている。残るのは時間の切り売りだけです。
数字は同じなのに、経験値の項が消えた瞬間、符号が反転する。
これが、私が一番伝えたかったことです。
だから私は、期限を切ることをおすすめします。目安は、入社5年。そこで一度、休日仕事から卒業する前提で自分を見る。
期限のない「頑張り」は、惰性に飲まれます。でも「5年で卒業」と決めた人は、4年目に一度立ち止まって、自分の現在地を数えます。その一回が効きます。
いちばん危ない沼は「手当ありきの生活」
ここからが本題です。いちばん危ない沼の話をします。
残業代や休日出勤代を前提に、生活水準を上げてしまうこと。
家賃、車、固定費。手当込みの収入に合わせて生活を組むと、やがて基本給だけでは生きられない体になります。
そうなると、どうなるか。
休日を売り続けるしかなくなる。抜け出すための勉強や準備に使う時間、つまり「時間資本」が、構造的に消えていきます。
檻はいりません。生活水準さえ手当で持ち上げておけば、人は鍵をかけなくても勝手に留まります。
沼は、入るときは温かいんです。
だからこそ、手当は「なかったもの」として生活を組む。これだけで、あなたの時間はあなたの手元に残ります。
自分の値段は、誰が決めているのか
給与テーブルに書かれた数字は、あなたの値段です。ただし、それは「会社にとってのあなたの値段」であって、市場があなたに付ける値段ではありません。
そして、この二つはほぼ確実に、ずれています。
問題は、社内の数字だけを見ていると、その乖離に一生気づけないことです。
気づく方法は一つだけ。
会社の外に、自分の数字を一つ持つこと。
副業でも、外の仕事でも、少額の積立投資でもいい。金額の大小は関係ありません。「会社が決めていない数字」を一つ持つと、初めて社内の数字を相対化できます。
正直に言うと、私自身、外の事業が少し回り始めるまで、この頭に切り替われませんでした。気づいたのは40代です。
だからこそ、若い人に時間差で渡したい。これは説教ではなく、遅れて届いた自分への手紙のつもりです。
電卓を渡します。答えは渡しません
最後に、答えは書きません。電卓だけ渡します。
一度、自分の手で計算してみてください。
- 休日仕事1回の実質時給 = 日当 ÷ 移動込みの拘束時間。いくらになりましたか。
- その休日を5年間売り続けたとき、手元に積み上がるものは何ですか。単価は上がりますか。
- 同じ休日を自分の側に投資したら(勉強・副業・積立)、5年後に何が残りますか。
- もし20代なら、月数万円の積立を20年続けた複利計算を、一度だけやってみてください。
答え合わせはしません。数字が出た時点で、たぶんもう気づいているはずです。
まとめ
- 自分の仕事の「値札」を知る(原価意識)
- 同じ日当でも、経験値が乗る時期と、切り売りになる時期がある
- 手当ありきで生活を上げると、抜け出す時間資本が消える
- 会社の外に「自分の数字」を一つ持つと、市場価格が見えてくる
私の若い頃には、ネット証券も副業のインフラもありませんでした。今は全部揃っています。
使うか使わないかは、あなた次第です。

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