こんにちは、とらです。
「自分1人くらい知らなくても、誰かがやってくれる」
そういう空気が現場にありました。 悪意ではありません。 構造が、そうさせていました。
「自分1人くらい知らなくていい」が成立してしまう現場
今、私が勤務している舞台・音響・照明の現場は、人数が多いです。
一部のスタッフが詳しければ、現場は回ります。 そういう構造になっています。
だから、一人ひとりが「自分の頭で考える」必然性が薄くなります。 「わからなければ誰かに聞けばいい」がデフォルトになっていきます。
問題は、それが続いたときです。 考えない習慣が積み重なると、いざというときに自分で判断できなくなります。 その問題は「その人」のせいではなく、「現場の設計」のせいだと、今は思っています。
改修とチーム再編——それが転機でした

昨年、施設の改修が入りました。 チームも再編することになりました。
今のタイミングで変えなければ、また同じ現場が続きます。
目指したのは、「属人化からの脱却」です。 特定の人間がいなくても、論理的に動ける現場。
そのために、まずガイドラインを作ることにしました。 舞台機構のサイズ、附帯料金の体系、音響・照明の運用ルール。 1年かけて、情報を整理しました。
マインドマップに集約し、各セクションに渡しました。 URLも貼り付けました。
でも、壁に当たりました。
全員に覚えさせようとしたら、行き詰まりました
データはNASにありました。
つまり、PCの前に座らないと確認できません。 現場では、スタッフは動き回っています。仕込みの最中に、PCに戻る余裕はありません。
それだけではありません。 覚えるべき情報は膨大です。全員に「インストール」させようとすると、時間も費用対効果も現実的ではありません。
違いました。
「全員が知っている」を目指すのではなく、
「必要なときに自分で引き出せる」
状態を作ればいいのです。
方針転換——「知らせる」より「引き出せる」
ここで方針を変えました。
「考えさせるためのツールを渡す」
答えを持たせるのではなく、答えにたどり着ける仕組みをつくります。 スタッフが現場で迷ったとき、自分で確認できる環境です。
その前提で、ツールを選びました。
なぜNotebookLMだったのか——3つの決め手
候補はいくつかありました。 Notionも検討しました。
でも、最終的にNotebookLMに決めました。
① ハルシネーションが少ない
これが一番大きかったです。
AIは便利ですが、間違った情報を自信満々に返すことがあります。 これをハルシネーションと呼びます。
現場では、それが許されません。
舞台機構のサイズを間違えれば、設営ミスに直結します。 附帯料金を誤って伝えれば、クレームになります。
NotebookLMは、基本的には登録したドキュメントだけを元に回答します。 知らないことは「わかりません」と返す設計です。
現場で使う以上、「正確に返す」システムが必要でした。
② 各自のスマホから使える
以前は、情報がNASにありました。PCの前に座らないと確認できません。
仕込みの最中、スマホで確認できます。 それだけで、使える場面がまったく変わります。
③ Googleワークスペースに乗れる
もともと、ガイドラインはGoogleワークスペースで作成していました。
Notionを導入するには、アカウントの整備から始まります。 学習コストもかかります。
NotebookLMはGoogleアカウントで入れます。 ガイドラインの資料もそのまま読み込めます。
導入の摩擦が少ない。それも決め手でした。
現場の反応——若手とベテランで二極化しました
テストを始めて、反応は二極化しました。
若いスタッフは早かったです。 面白がって使います。自分で触りながら覚えていきます。
ベテランの「属人スタッフ」は、本人に任せています。 彼らの頭の中にある知識は、それはそれで資産です。
もう一方のベテラン——属人ではない側は、「やれることをやればいい」という感覚でいます。 ツールがあれば、使います。
この二極化は、想定内でした。
全員が同じ使い方をする必要はありません。 「考えようとする人間に、ツールが届く」構造が作れれば十分だと思っています。
まとめ:知識を持たせるより、思考を手放さない仕組みを
今回の取り組みを振り返ると、核心はシンプルでした。
「全員が知っている」を目指すのではなく、「必要なときに自分で調べられる」を目指す。
NotebookLMはその手段に過ぎません。 重要なのは、ツールの前に方針があったことです。
属人化された現場を変えたかったです。 でも、人を変えようとするより、構造を変えた方が早い。
ガイドラインという「思想」を、ツールという「仕組み」に落とし込みました。 それが今回の取り組みです。
現場はまだテスト中ですが、手応えは感じています。 もし「うちの現場でも試してみたい」と思う方は、ぜひNotebookLMを触ってみてください。 Googleアカウントがあれば、今日から始められます。


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