こんにちは、とらです。
副業で物を売っていると、「今月はいくら利益が出た」という数字はよく見ます。
でも、「売れていない在庫にいくら埋まっているか」を数えたことのある人は、たぶん少ないと思います。
私も数えていませんでした。
2年やって、はじめて数えました。そして手が止まりました。
この記事は、その棚卸しの記録です。数字がきれいな話ではありません。ただ、同じ構造にはまっている人はけっこういるはずなので、そのまま書きます。
久しぶりに在庫表を開いたら、数字が噛み合っていなかった
きっかけは、たまたま時間ができたことでした。
久しぶりに販売管理シートを開いて、上から眺めてみたんです。
累計利益は、ちゃんとプラスでした。個別の利益率も悪くない。売れた商品を1件ずつ見ていくかぎり、失敗している感じはしませんでした。
なのに、現金がない。
正確に言うと、次の仕入れが打てない。良い出物を見つけても、財布が動かない。
売れているのに、動けない。
この違和感の正体を探すところから、棚卸しが始まりました。
最初は「使いすぎたかな」くらいに思っていました。
違いました。
累計利益の2.5倍が、不良在庫に埋まっていた

やったことは単純です。
約2年間の累計利益と、売れずに残っている在庫の仕入れ総額を、並べて書いてみた。それだけ。
結果はこうでした。
売れ残っている在庫の仕入れ総額が、累計利益の約2.5倍。
さらに、自分が副業に回せると決めていた資金枠に対して、拘束率が約70%。
つまり、動かせるお金の7割が棚の上で止まっていたわけです。
ここで見え方が変わりました。
売れた分だけを見れば、この2年は黒字です。でも事業として見れば、稼いだ利益の2.5倍を在庫という形で寝かせている。回収できていない以上、実態はマイナスに近い。
副業の物販でよく言われる「利益率30%を狙え」みたいな話は、売れた商品の話です。
売れた商品の利益率だけを見ていると、この構造は絶対に見えません。
私が見ていたのは、分子だけでした。
仕入れは当たっていた。放置していただけだった
ここまで書くと「目利きが下手だったんだろう」と思われるかもしれません。
私も最初はそう思いました。仕入れ基準を作り直さないとダメだ、と。
でも、売却済みの商品を利益率順に並べ直したら、話が違いました。
最高で80%台。平均でも、副業の物販としては十分な水準です。数日で売れた商品もありました。
仕入れは、当たっていたんです。
じゃあ何が問題だったのか。
出品してから、何もしていない期間の長さでした。
滞留日数を1件ずつ数えてみたら、200日を超えているものが大半。最長は2年でした。出品したまま、2年です。
しかもこれ、まったく見られていない商品ではありませんでした。表示回数は動いているし、ウォッチリストに入れている人もいる。
見られている。でも買われていない。
その状態で、価格を一度も見直していませんでした。
出品した日の値段のまま、2年。
これは仕入れの失敗ではなく、放置の失敗でした。
なぜ滞留に気づけなかったのか
ここが自分でも情けないところなんですが、理由が2つありました。
ひとつは、管理シートの計算式が壊れていたこと。
「在庫日数」の列を作ってあったんです。仕入れ日から売却日までを自動計算するように。ところが売却日の欄に一律の日付が入ってしまっていて、在庫日数が全部マイナス表示になっていました。
マイナスの数字が並んでいると、人はそこを読まなくなります。
数字が壊れていると、見ているつもりで見ていない。
シートは開いていました。在庫日数の列も、視界には入っていた。でも情報として入ってきていませんでした。
もうひとつは、分類のほうです。
売れない商品に「不良在庫」というステータスを付けていました。整理のつもりでした。
でも、そのラベルを付けた瞬間に、思考が止まっていたんです。
実際に中身を見たら、表示回数もウォッチも動いている商品が、同じ「不良在庫」の箱に入っていました。動いているものと、本当に死んでいるもの。全部まとめて一つの箱でした。
分類は、判断を助けるためにやるものです。
でも、間違った分類は判断を止めます。
「不良在庫」と名前を付けた時点で、私はその商品について考えるのをやめていました。
値付けを見直すだけで、現金化の見込みが立った
やったことは、地味です。
滞留している在庫を一つずつ開いて、原価と、いまの実勢価格を並べて、値付けを計算し直しました。
それだけです。
そうしたら、大半に見込みが立ちました。
多くの商品は、単純に相場から浮いていただけでした。出品した当時の相場で値段を付けて、そのまま置いていたので、いまの検索結果の価格帯からずれて表示されなくなっていた。
値下げして、検索の価格帯に入れ直す。
在庫を捨てる話ではありませんでした。値付けを、いまに戻す話でした。
処分でも損切りでもなく、放置していた2年分の相場のずれを、埋めただけです。
ひとつ実務的なコツを書いておくと、出品を取り下げて出し直すのではなく、編集で価格を変えるほうがいいです。プラットフォームによりますが、値下げがウォッチャーに通知として飛びます。すでに見ている人がいる商品なら、これが効きます。
取り下げて出し直すと、そのウォッチが消えます。
見込みの合計は、それまでの累計利益を上回る規模になりました。
もちろん、見込みは見込みです。全部が売れるとは思っていません。
ただ、2年ぶんの「動かなかったもの」が、動く可能性のあるものに変わった。それだけで資金の見え方はまったく違いました。
なお、Reverbのような海外プラットフォームで売っている場合は、値付けの見直しに為替も絡みます。円建て出品だと、自分が価格を変えていなくても表示価格が動くためです。この話はReverbの円建て出品で損をしないための実務まとめに詳しく書きました。
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ボトルネックは仕入れではなく、月1回の30分だった
棚卸しが終わってから、一番こたえたのはここでした。
今回の作業に必要だったのは、月1回30分の点検だけです。
やることは2つ。
- 為替を確認する(海外販売の場合)
- 出品から90日を超えている商品の値付けを見直す
これだけ。30分あれば終わります。
これを毎月やっていれば、今回の棚ざらえは一度も必要ありませんでした。
2年ぶんまとめてやったから半日かかっただけで、分割すれば1回30分だったわけです。
やらなかった理由を、私はずっと「時間がなかったから」だと思っていました。
違いました。
時間がなかったんじゃなくて、定期タスクにしていなかっただけです。
本業は締め切りがあるので回ります。副業には締め切りがありません。やらなくても誰にも何も言われない。だから、静かに止まる。
止まったことにも気づかない。
副業が崩れるのは、たいてい仕入れの腕とか目利きの精度の話じゃないと思います。
仕入れを磨くより、この月30分をカレンダーに固定するほうが、いまの私には効きました。
実際、いまはカレンダーに繰り返し予定として入れてあります。「思い出したときにやる」は、2年やってみて機能しないことが分かったので。
まとめ:今日やるなら、在庫日数を数えるだけでいい
長くなったので、まとめます。
- 累計利益はプラスだったのに、売れ残り在庫の仕入れ総額はその約2.5倍だった
- 資金枠の約70%が在庫で拘束されていて、次の仕入れが打てなくなっていた
- 仕入れは当たっていた。売却済みの利益率は最高80%台。問題は出品後の放置
- 滞留日数は200日超が大半、最長2年。表示回数は動いているのに価格は一度も見直していなかった
- 管理シートの在庫日数の計算式が壊れていて、「見ているつもりで見ていない」状態だった
- 値付けを実勢価格に戻すだけで、大半に現金化の見込みが立った
- 必要だったのは月1回30分の点検だけだった
もし今、「売れてはいるけど手元にお金が残らない」と感じているなら。
累計利益と、売れていない在庫の仕入れ総額。この2つを並べてみてください。
この2つを比べたことがない人は、たぶん私と同じ状態になっています。
全部を今日やる必要はありません。
まず、在庫日数を数えるだけでいいと思います。それだけで、次に何をすべきかは勝手に見えてきます。
変わったのは相場でも仕入れルートでもなく、私が数字のどこを見ているか、だけでした。
副業の在庫と数字を、どこで管理するか
案件も在庫も、記録する場所が決まっていないと、そもそも棚卸しができません。
私はNotionに寄せています。在庫・仕入れ日・出品日をひとつのデータベースにして、滞留日数を出せる形にしました。
無料プランで十分動きます。

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